国内会員制リゾートが復活してきている、という内容の記事が日本経済新聞に掲載されました。海外タイムシェアとの関連も含めて私なりの感想や考えをまとめてみました。
国内会員制リゾートの人気が復活
2020年1月4日、日本経済新聞朝刊に、国内会員制リゾートに関する記事が掲載されていました。
会員制リゾートが息を吹き返している。訪日客増加で高級ホテルの予約が取りづらくなった富裕層の受け皿になっているほか、保養所の代替として活用する法人も増えている。プリンスホテルは同事業に新規参入し、最大手のリゾートトラストは10年間で売上高を2倍に伸ばした。市場規模は15年で2倍に拡大し、今後も成長は続きそうだ。
出所:2020年1月4日付 日本経済新聞朝刊
この記事を読んで、私なりの感想や考えをまとめてみました。
会員制リゾート業界復活の兆し

新年早々、同じ業界に身を置く者として、このような記事が掲載されたのは正直に嬉しいです。バブル経済崩壊の影響で低迷していた業界ですが、ようやく復活の兆しが見えてきたということでしょう。
プリンスホテルの新規参入、さらにリゾートトラスト、東急グループの新規施設の展開も楽しみです。
3つの理由
記事では、会員制リゾート市場が拡大する理由を3つ挙げています。
まずは富裕層の拡大だ。 (中略)
2つ目は訪日客の増加で高級ホテルが予約しづらくなったこと。 (中略)
最後は法人需要。
出所:2020年1月4日付 日本経済新聞朝刊
訪日客の増加
理由の2つ目に挙げられている「訪日客の増加」が注目ポイントです。
ここ数年、堅調に増加している訪日客は、オリンピックイヤーの今年は一気に増加することは間違いないでしょう。また、これを機に、2021年以降も訪日客は増えていくことでしょう。
海外タイムシェアとの関連

この新聞記事の後半に、海外のタイムシェアとの関連が少し書かれていました。
さらなる成長には、訪日客の取り込みが欠かせない。欧米では「タイムシェア」型の会員制リゾートが主流だ。
出所:2020年1月4日付 日本経済新聞朝刊
海外タイムシェアの利便性
マリオットやヒルトンのタイムシェアは、自社施設の他に、それぞれが加盟する交換会社(マリオットは「インターバル・インターナショナル社」、ヒルトンやウィンダムは「RCI社」)を通じて、世界中のタイムシェアを交換利用できるネットワークを構築しています。
タイムシェアについて詳しくは、コチラの記事↓をご覧ください。
交換会社「インターバル・インターナショナル社」について詳しくは、コチラの記事↓をご覧ください。

海外タイムシェアの国内展開
訪日客増加に伴い、これらの世界的な交換会社に国内会員制リゾートも加入するのか、あるいは、マリオットやヒルトンが独自の施設を日本国内に展開するのが先になるのか、今後の展開が気になるところです。
実際、ヒルトングランドバケーションズは、既存の小田原のホテル敷地内にタイムシェアの施設をすでにオープンしております。さらに、沖縄でのタイムシェア専用タワーの建設を報道発表しています。
国内会員制リゾート VS 海外タイムシェア
国内会員制リゾートは、海外のタイムシェアとは異なったシステムで運用されています。
国内会員制リゾートは日本人顧客向け
現在の国内会員制リゾートは、これまで日本国内の顧客をターゲットにして会員権を販売してきました。したがって、予約や運営システムは日本の休日制度に合わせて作られています。(例:エクシブのタイムシェアカレンダー)

いわゆる「鎖国」の状態と言えるのです。
国内会員制リゾートと海外タイムシェアの交換は可能か?

北米を中心にシステムが定着しているタイムシェアは、1週間をひとつの滞在単位としています。そして、前出の交換会社についても、1週間単位での交換を基本としています。
つまり、国内会員制リゾートについても、1週間単位にしないと交換会社を通じての交換が成立しない、ということになるのです。
ここで疑問なのが、エクシブや東急ハーヴェストの現行の運営システムで1週間単位の日程を組み立てられるのか、という点です。このあたりをクリアにしないと、世界的なタイムシェア交換会社への加盟は難しいと思います。
海外タイムシェアが先行?
わたし個人としては、いわば、「黒船襲来」が先になりそうだと感じています。
つまり、独自に施設の建設を具体化しているヒルトンや、積極的に新規ホテルの参入を表明しているマリオットなどの海外勢によって、タイムシェアの施設を日本で展開する方が先行するのではないかと予想しています。
これにより、海外のタイムシェアオーナーが訪日する機会が増えるのではないでしょうか。
まとめ

以上、新聞記事から日本国内の会員制リゾート業界の今後の展開について、海外タイムシェアとの関連も含めて考えてみました。
いずれにせよ、オリンピックイヤーを機に、国内会員制リゾートがグローバルスタンダードを構築するのが先か、海外勢の独自施設の展開が先か、今後の日本におけるリゾートシェアのカタチがどうなるのか楽しみです。
また、国内会員制リゾートが海外の富裕層向けに、直接自社の会員権の販売を積極的に行っていく、という方法も考えられます。むしろ、その方が事業者の利益に直結し、新たな自社の会員として囲い込むことが可能です。そうすれば、海外の交換会社へ加盟することなく、富裕層の訪日客への需要を伸ばせるのではないか、と期待しています。
コチラの記事もご覧ください。




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