タイムシェアのリセール物件を購入するときに注意すべき「先買権(第一買取権)」とは、どういうものかご存知ですか?この記事では、先買権について詳しく説明するとともに、先買権を回避する方法を提案します。
タイムシェアのリセール物件を購入するときの注意点 ~第一買取権=先買権
タイムシェアやリゾート会員権を購入するには、リゾート会社から購入する方法のほかに、タイムシェアのリセール業者から購入する方法があります。
リセール市場では正規の価格よりも安く購入することができます。しかし、リセールで安い物件を購入する際に、注意しなければならないことがあります。
実は、リゾート会社が持つ「先買権」により、買主が希望するタイムシェアを購入することができない場合があるのです。
先買権とは
先買権は英文表記で「Right of First Refusal」(ROFR)と記されます。例えば、同族会社などで一株主が保有株式を第三者に譲渡するとき、先ずは他の株主が同条件で譲受けることができる権利を設定するときなどにも用いられるようです。
タイムシェアの権利の譲渡の際も上記と同様に、第三者譲渡が発生した場合は先ずは分譲主であるリゾート会社へ打診するように、ということで分譲時に特約を付けて契約しています。
そして、リセール市場において、あまりに安い価格で売買契約が交わされた場合に、リゾート会社がその物件を買い取ることができるのです。
海外のリゾート会社が販売するタイムシェアやリゾート会員権のほとんどには、先買権が付いています。
この先買権について、詳しく説明していきます。
先買権が行使されるタイミング
タイムシェアのリセール物件の売買交渉が成立すると、売主と買主がサインした契約書がエスクロー会社に提出されます。
米国の不動産売買取引に関する手続きを専門に扱う会社。物件調査や権利移転書類等の各種書類作成、登記や名義書換申請等の各種手続きを行う。取引が公正に行われるよう第三者機関的な役割をもつ。
エスクロー会社は、登記内容、物件所有者、年間管理費並びにローン残高の有無などの調査や確認等を行うために、リゾート会社に対して物件調査を依頼します。その際にリゾート会社は、先買権が付いている物件については、放棄するかどうかの判断も行います。
この物件調査は、通常1ヶ月ほどかかりますが、それよりも長くかかったり、反対に短い場合もあります。
なぜ先買権が行使されるのか
なぜ、リゾート会社は先買権を行使するのでしょうか?
リセールの価格をご覧になると分かるように、同じ条件の物件であっても、様々な価格で売り出されています。特に、早く売却したいと希望している売主の場合は、売却価格を下げる傾向にあります。
リゾート会社は、物件のブランドを保持するために、先買権を行使することにより、リセール市場で価格が大きく下落しないようにするのが主な目的のようです。
また、在庫として確保したいという側面もあります。
先買権が行使されたら
リゾート会社が先買権を行使した場合は、契約はどうなるのでしょうか。
買主はどうなるか?
先買権が行使されると、リゾート会社がその物件を購入することになります。つまり、買主はその物件が購入できなくなるということです。
もちろん、契約時に買主が預け入れした手付金(デポジット)は返金されます。
買主は、新たに別の物件の購入を検討し直すことになります。
売主はどうなるか?
先買権が行使されると、買主がリゾート会社に変更となるので、売主とリゾート会社の間で契約手続きを進めていくことになります。
エスクロー会社についても、リゾート会社によっては、指定する別のエスクロー会社に変更されることもあります。
売主の場合は、売却先(買主)が変わるだけで、契約した売却価格で物件を売却することができるというわけです。
先買権が行使される条件は?
リセール市場において、あまりに安い価格で売却されていると行使されてしまう先買権ですが、どのくらいの価格だとその対象になるのでしょうか。また、常にその可能性があるのでしょうか。
価格や時期は不確定
残念ながら、どれくらいの価格ならば行使される、というボーダーラインは、はっきり分かりません。その時々により変動することがあります。また、価格に関わらず、時期によっては先買権が行使されないこともあります。
リセール業者といえども、リゾート会社から先買権に関する具体的な情報を得ることはできません。大体の傾向については、最近の取引状況から推察することになります。
物件にもよる?
物件の種類によっては、先買権が行使されやすい物件というのもあるようです。
最近の傾向から、すでに完売していて人気のある物件の場合は、先買権が行使されやすいようです。
どうすれば先買権が行使されずに済むのか
このように先買権の行使により、安い物件を購入したくても購入できない、ということが起こりうるのです。
では、どうすれば、希望する物件をできるだけ安く購入できるのでしょうか?
まずは相談
リセール物件の購入を希望した場合、おそらく、リセール業者から先買権についての説明があることと思います。
リセール業者は最近のリゾート会社の動向に精通しているので、価格や時期についてのアドバイスを受けることができるでしょう。
一か八かで申し込む
リセール業者のアドバイスを基に、リスクを覚悟したうえで、一か八かで申し込んでみる、というケースもあります。
運が良ければ、リゾート会社が先買権を行使せず、希望の安い物件が購入できるかもしれません。
もし、先買権が行使されて希望物件が購入できなかった場合は、あきらめずにまた別の物件でチャレンジすることができます。
過剰な値引き交渉は避ける
先買権を行使されずに確実に購入したい場合、リセール市場のリスティングの中で、希望する物件の最安値案件に申込みをするのであれば、それ以上値引き要請をしないほうが良いかもしれません。
特に、希望する物件の売り物がひとつしかないような場合は、先買権が行使された後の代替案件もなくなってしまうので、より注意が必要です。
まとめ
所有するタイムシェアやリゾート会員権を手放したい場合、リゾート会社に相談しても、「買取や返却はできません」と言われます。その一方で、リセール市場において安い価格で売買契約が交わされると、リゾート会社は先買権を行使する場合がある、という現状があります。
最近のリセール市場は買い手市場となっており、安い物件が増えてきているせいか、先買権が行使されやすい傾向にあるようです。
リセール市場では、売る側も買う側も、価格や時期については焦らずじっくりと見極める必要があるでしょう。
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