タイムシェアや会員制リゾートなど不動産共有制の「出口」の問題について考えます。タイムシェアという資産や所有権は将来どうなるのでしょうか。
タイムシェアと会員制リゾート事業の出口について
(不動産共有制の問題 2つの出口とは)
業界に携わる者が話題にするような少々難しい問題について、数回にわたりお話ししていこうと思います。

「資産」には終わりがないのか?
まず、タイムシェアの販売説明会等で「権利が登記がされ、資産としてお子様へ代々引き継ぐことができますよ」、というようなセールストークに聞き覚えはないでしょうか。
このセールストーク自体は間違いではありません。
実際、物件(1部屋)の52分の1の共有持分が、登記所に登記されることになります。
これは、所有物を誰にも邪魔されない所有権という強い権利が保全されるということを意味します。
しかし、「代々引き継ぐことができる資産」ということは、終わりがない?ということになるのでしょうか。
例えば、親が気に入って買ったリゾートの権利を、必ずしも子供が気に入るとは限りません。
そして、子供の意思とは関係なく権利を相続した場合、その子供にとっては「負の遺産」になるという可能性も否めません。
事業に終わりはないのか?
一方で、クラブを運営する事業者にとっても未来永劫事業を続けていけるという保証はありません。
つまり、クラブ側の事情で事業から撤退せざるを得ない、ということも将来的には考えられます。
これまで、国内の会員制リゾートと海外のタイムシェアは、主に「不動産共有制」という仕組みで会員権(権利)を販売してきました。
ところが、会員の高齢化や施設の老朽化等の問題により、その「出口」について真剣に考えなければならない時期が来ていると、個人的に危惧しています。

2つの「出口」とは?
そして、ここでいう「出口」には2つあると考えられます。
ひとつは会員としての「出口」の問題で、「不要になった権利をすぐに手放せるのか?」ということ。
そしてもうひとつは、事業者としての「出口」の問題で、「会社が事業からすぐに撤退できるのか?」ということです。
- 会員としての「出口」 :
不要になった権利はすぐに手放せる? - 事業者としての「出口」:
会社は事業からすぐに撤退できる?
次の記事で、ひとつめの会員の「出口」の問題について詳しくお話しします。
「タイムシェアと会員制リゾート事業の出口について②」につづく

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